アルミ合金切削加工完全ガイド|材質・合金選定・加工の要点と調達のコツ

目次

軽量で高性能な金属材料として、アルミ合金は多くの製品に採用されています。この記事では、加工・設計・調達のすべての視点から、アルミ合金切削加工の全体像を解説します。

アルミ合金切削加工とは、アルミニウムやその合金素材をCNC等の機械加工で成形する技術で、軽量化や耐食性が求められる業界で広く利用されています。本記事では材質特性、合金の種類、加工の注意点からコスト・納期管理までを網羅的に解説します。

アルミ合金加工のイメージ
アルミニウム切削加工の現場


アルミとアルミ合金の基礎知識

  • アルミニウムとは:軽くて柔らかい非鉄金属で、比重は約2.7。加工しやすく、耐食性にも優れる。
  • アルミ合金とは:純アルミに銅、マグネシウム、シリコン、亜鉛などを添加し、強度や耐熱性を高めたもの。
  • なぜ合金化が必要か:純アルミは柔らかく、強度が不足するため、機械部品用途には合金化が不可欠。

アルミ合金
アルミ合金


アルミ合金の種類と用途

系列 主な添加元素 特徴 主な用途
1000番台 純アルミ(99%以上) 軽量・高導電・加工しやすい 反射板、導電部品
2000番台 銅(Cu) 高強度・耐食性低 航空機部品
3000番台 マンガン(Mn) 成形性良・中強度 建材、屋根材
5000番台 マグネシウム(Mg) 耐食性良・溶接性良 船舶、車体、タンク
6000番台 Mg + Si 汎用性高・加工性良 構造部品、機械部品
7000番台 亜鉛(Zn) 超高強度・熱処理硬化型 航空宇宙、自転車

表面処理と機能強化

アルマイト(陽極酸化処理)

  • 耐腐食性を向上し、外観やカラーリングも可能。
  • 硬度の向上、絶縁性の確保にも有効。
  • 加工後の表面状態(傷、酸洗ムラ)によって品質が左右されるため、事前検討が重要。

その他の処理

  • バフ研磨:光沢仕上げ向け。
  • 塗装:コストを抑えつつ、色付け可能。
  • ヘアライン:一定方向の細かい筋目をつけて高級感を演出。
  • 鏡面加工:鏡のような光沢を持つ美しい仕上げ向け。
  • フッ素コート・硬質アルマイト:耐摩耗・耐薬品性を高める。

ヘアラインと鏡面加工処理
ヘアラインと鏡面加工処理


アルミ切削加工の特徴と注意点

加工のメリット

  • 切削抵抗が小さく、加工スピードが速い。
  • 工具摩耗が少なく、量産に向いている。
  • 軽量なので輸送コストも削減。

加工時の課題

  • ビルトアップエッジ(BUE):切削時にアルミが工具に付着し、仕上げ面に悪影響。
  • 熱変形:熱伝導が高い一方で、薄物や精密部品は熱膨張に注意。
  • 切粉排出:柔らかく絡みやすいため、切粉処理が重要。

切粉排出
切粉排出

工具選定のポイント

  • コーティング工具(TiCN, DLC等)が推奨。
  • 逃げ角の大きい形状が切削面を滑らかに保つ。
  • 鋭利なエッジでBUEを抑制。

コストと納期の考慮点

項目 説明
材料費 1000番台が最も安価、7000番台は高価
工具寿命 アルミ用専用工具の使用で長寿命化可
表面処理 アルマイト処理は別工程・別コスト
加工時間 切削速度が速いため短納期も実現可能
加工ロット 単品~中ロットまで柔軟対応が可能

コストと納期
コストと納期


品質管理と調達時のチェックポイント

  • 合金番号・成分証明書の確認:JISまたはASTM基準。
  • 公差・表面粗さの指定:図面に明記。
  • 加工・表面処理一貫対応の有無:外注管理を減らし、納期短縮・品質安定化。
  • 検査体制:三次元測定機、膜厚計、硬度計の有無。

加工事例紹介(※抜粋)

事例①:通信機器の放熱板(A6061)

  • 要求:軽量・耐食性・熱伝導性
  • 加工方法:CNCマシニング + アルマイト処理
  • 納期:5営業日
  • 寸法精度:±0.02mm
  • 結果:量産時も安定品質を実現

通信機器の放熱板
通信機器の放熱板

事例②:精密ロボット部品(A7075)

  • 要求:高強度・高精度
  • 加工方法:5軸加工 + バレル研磨
  • 特徴:複雑形状でも対応可能
  • コスト:若干高めだが、性能優先で採用

精密ロボット部品
精密ロボット部品


用途別おすすめ合金・加工方法

用途 推奨合金 推奨処理
放熱部品 A1050 / A6061 アルマイト処理
航空部品 A7075 硬質アルマイト
医療機器 A5052 バフ研磨+無電解ニッケル
精密構造材 A6061-T6 CNC + 三次元測定
海洋用途 A5083 耐腐食性強化処理

まとめ

アルミ合金は軽量・高性能でありながら、加工においても高い自由度を持つ素材です。
一方で、材質特性や加工条件を誤ると不具合につながるリスクもあります。

弊社Santanooでは、材料選定からCNC加工、アルマイト処理、検査・梱包まで一貫対応が可能です。
日本・北米・ドイツ等、各国の厳しい品質要求にも応えてきた実績があります。

アルミ部品加工でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

アルミ加工部品の一例
高精度アルミ部品

Picture of こんにちは!Leoです。
こんにちは!Leoです。

この記事の執筆者であり、CNC切削加工のスペシャリストとして15年以上の実務経験があります。
Santanooでは、多様な業界のお客様に最適な加工ソリューションを提供することを使命としています。

ものづくりに関する知識を共有するのが私の喜びであり、 品質・納期・コストのバランスにお悩みの方に、実践的なアドバイスをご提供しています。

加工に関するご質問があれば、お気軽にご相談ください!

お見積もり・技術相談はこちら

24時間以内に迅速対応 ─ 材料選定や加工方法に関する無料相談を承ります。

お見積りをすばやくご依頼ください

ご質問やお見積りのご依頼がございましたら、お気軽にメッセージをお送りください。.

1営業日以内にご連絡いたします.

差出人のメールアドレスが「info@santanoo.com」であることをご確認ください。